1級土木2次検定(経験記述:施工計画)

いよいよ1級土木第二次検定の試験まで約1か月くらいとなりました。受検者の方は勉強の進捗いかがでしょうか?

私のほうも週末は講師、平日は添削とおかげさまで大忙しの状態となっています(笑)

 

今日は第二次検定で合否を大きく左右する問題1(施工経験記述)のうち「施工計画」を管理テーマとした問題のポイント(注意点)を述べたいと思います。

 

まずは昨年度の問題です。(前段の〔工事概要〕と〔設問1〕は除きます)

 

問題1

〔設問2〕

 工事概要に記述した工事の施工計画の作成に関し、次の事項について解答欄に具体的に記述しなさい。

ただし、設問1と同 一内容の解答は不可とする。

⑴ 施工計画立案に先立ち行おこな った現場の事前調査で判明した施工上の課題

⑵⑴で記述した課題について施工計画の作成にあたり反映した対応処置とその評価

 

通常は「品質管理」「安全管理」「工程管理」をテーマとした問題が主流ですが、昨年度の試験制度改正に伴い、これまで過去に数回出された実績があるとはいえ滅多にお目にかからなかった「施工計画」をテーマとした問題が上記の内容で必須出題されました。この問題のポイントを2つ紹介します。

 

ポイント1「結局はいつもの管理につながる!」

土木の施工管理は結局、P(生産)Q(品質)C(コスト)D(納期)S(安全)M(モラル)の管理です。1級土木的に言えばモラルの点で「環境保全管理」や「建設副産物」、品質の点で「出来形管理」を含め7つの管理項目(安全、品質など、、、)を前面に出していますが、ここで言いたいことはたとえ「施工計画」としての問題が出たとしても結局は「いつもの安全や品質、工程、環境などの管理の課題につながる!」ということです。たとえば事前調査の結果、地図にない新規の老人ホームや教育施設が新規でオープンしたばかりだということが判明し、このまま工事をすると騒音振動といったいわゆる「環境保全管理」の問題に発展する可能性があるときは、「騒音振動抑制(発生防止)」が課題となり、そのために施工計画作成時にこれらを解決するための「対応処置」(たとえば騒音対策として低騒音型の重機を使用するなど)を計画に反映すると思います。この流れを「一気通貫」で書けばよいのです。よく間違えるのは上記の設定において、問題を「環境保全管理」と捉えず、たんなる「苦情発生防止」と捉えてしまう間違えです。たしかに「騒音防止=苦情発生防止」と考えられ、対応処置も変わらないですが、土木管理に「苦情管理」という管理項目はなく、「環境保全管理」といういつもの管理項目に持っていくことが正論となります。このように「1級土木施工管理技士」として、正確な管理項目として課題を捉えられ、かつその課題について的確な「対応処置」を施工計画に反映させたうえで実行し、最後の「評価」において課題の解決に至ったか?を正確に述べることが良い点を取るための1つ目の重要なポイントとなります。

 

ポイント2「題意を正確にとらえる!」

「施工計画」に限った話ではないですが、例えば問題の(1)では「現場の事前調査で判明した施工上の課題、、、」と記載があります。これは例えば施工前の試掘調査、ボーリング調査、または現地の交通状況確認なども含まれますが、いわゆる「現地の」事前調査を指しています。それにもかかわらず「発注者からの要請により●●日間の工程遅延が懸念され、工期短縮が課題となった」とか「昨今の少子高齢化に伴う作業員不足の影響により、稼働不足による工事遅延が懸念され、効率化が課題となった!」などを記述する方がいますが、これは大きな間違えです。なぜなら「現地の」事前調査ではなく、たんなる「施工計画策定前の工程などの確認作業」や「発注者指示」が起因となる課題だからです。「施工計画」がテーマではなく、「工程管理」がテーマであるならばおかしくはない場合もありますが「施工計画」の問題から題意を掴むとダメな事例となってしまいます。(ただし「少子高齢化」という一般的な社会問題を1つの工事の現場状況に強引に盛り込み、そこから自担当工事の課題へと発展していくのはどうかと思います、、、というかこれは不適ですね)。

もう1つ言うならば(2)では「施工計画の作成にあたり反映した対応処置とその評価」と書いてあるのに、他の管理と同じく、たんに「●●を実施した」とか「●●を採用した」といったまとめ方をたまに目にしますが、これも間違えです。正解は(2)を解答する文章の冒頭で「((1)で出た課題に対し検討をした結果、)以下の対応を施工計画に反映し、実行した」と書かなければいけません。ポイントは「、、、施工計画に反映し、、」のところです。これがなければ通常の別のテーマと同じで、「施工計画」のテーマから逸脱した内容とみられ、その後の記載内容にも不具合(矛盾)が生じてしまう可能性があります。

とにかく問題をよく読み「題意をつかむ!」こと、これが2つ目の重要なポイントです。

 

以上、2つのポイントを紹介しました。参考になれば幸いです。

それでは試験まで頑張りましょう!