気がつけば7月に入り、もう少しで技術士第二次試験となりますが、皆様勉強は進んでおりますでしょうか?
今日は何人かの受講生からの質問で「効率的に暗記する方法はありませんか?」という質問を受けたのでそれについて、私流ですがお答えしたいと思います。資格取得の勉強だけでなく、受験勉強や趣味の勉強など様々なジャンルで使えると思いますので是非参考にしてみてください。
一般的に「暗記」するためによく言われるのは「何度も読む」「何度も書く」であると思います。確かにこれらの方法は記憶力を定着する基本だと思いますが、たんに書いたり読んだりするだけでは多大な時間を要するし、覚えてもすぐに忘れることとなり非効率な方法となります。一番効率的に暗記でき、しかも脳内に定着させるコツは
「理解する!」
ことです。一見、遠回りに見えますが丸暗記ではなく、理解して覚えたことは、定着が早く、しかも忘れにくいです。
高校の数学を思い出して見てください。たとえば数Ⅲ(私の時は「代数幾何」)の「三角関数」で「二倍角の公式」というものがありました。sin2θ=2sinθcosθという公式です。これはなぜこうなるか?というとsinの加法定理でsin(θ+θ)を解くとsin(θ+θ)=sinθcosθ+cosθsinθ=2sinθcosθなのでこうなるわけです。つまり学習してからもう数十年が経った人で「二倍角の公式」を忘れていたとしても、仮にsinの加法定理を覚えており、この導き方を「理解している」のならば、「二倍角の公式」を導き出せてしまうわけです。高校の授業や大学の般教課程で先生が公式の証明を説明していたと思います。めんどくさい公式の証明なんて教えていたのは、記憶を定着化させるためです。またそれにプラスで応用力もつきます。上述のsin2θが導き出せれば、同様にcos2θも導き出せるわけです。資格試験の勉強も同じです。技術士でも土木施工管理技士でも、あるテーマに対し課題とその対策を述べます。ただ、その課題に至るには大きな背景(現場状況や社会情勢とそれに付随する大きな問題)があるわけで、これらとあなたが述べる課題と対策・評価がすべて「一気通貫」となり、それをうまく表現できたときに、試験に合格することができます。つまり断片的に「課題」のみまとめて暗記しようとしたり、「対策」のみ繰返し音読などしても、なかなか覚えられずとても非効率的となってしまいます。筋道をたて一気通貫で「理解しながら」覚える!これが効率的な暗記の最重要ポイントとなります。
あとはコツというよりも「工夫」ですが、
「人に教える!」
ということも効率的に覚えるには良いです。なぜなら人が人に教えるためには「まず自分が根底から理解しないと教えられない」からです。つまり人に教える前に集中力を一気に高め、根底から(すなわち理解しながら)覚えることをしなければ、人には教えられないので、「人に教える」ということを通じて、効率的に暗記することが出来ると思います。実際、私は技術士を受けたときは周りの受験者に対し、業務終了後の飲み会の時や休憩中の喫煙所などで、教えることを実践し、効率的に記憶力の定着化を図ることが出来ました。(あくまでも「技術士を受ける人」や「興味がある人」を対象に教えた方がよいです。そうでないと周りから「変な人」に思われてしまうかもしれませんし、相手にされないかもしれません(笑))
またもう1つの「工夫」として
「議論をする!」
ということが挙げられます。たとえばご家族などで協力いただける方に「「複合災害」について建設部門はどうあるべきか?」なんて問いかけて議論してみてください。そしてその議論の中で相手にわかりやすく説明をしてみてください。それだけで記憶力は定着していると思います。これも「議論」という場の中で、結局は相手にレクチャしていることとなり、「人に教える」同様、一定の効果があると思われます。あと「議論」の場合、「人に教える」と1点ちがったメリットがあり、相手から「気づき」を貰える可能性があります。それはそれで新たに自分のものとして、能力のブラッシュアップにつなげれば良いと思います。私の場合、家内が美術大学を出ており、意匠主体とはいえ一応「建築家」でしたので、結構、議論で自分の考えの弱点を指摘されました(笑)。しかしながらその一方で新たな「気づき」を得ることができ、記憶力の定着化だけでなく、自信の応用力向上につなげることが出来ました。(家族の場合、建設に関係のない人でもテーマとして捉えられやすいものをテーマとした方が良いと思います。たとえば「複合災害」などは実際に起こってしまっていることで、ニュースなどでも取り上げられているので、議論しやすいと思います)
そのほかにもいろいろ効率的に覚える方法はあるかもしれません。ご自身にあった方法で頑張ってみてください。上記私の意見はあくまでも参考としてください。