最近、気になるニュースが入ってきました。大企業を中心に年齢を問わず大規模なリストラが増えているというニュースです。従来の日本企業は業績不振に伴う「構造改革」等でリストラを実施してきた経緯がありますが、現在は「黒字経営」にもかかわらず横行しているようです。ただでさえ労働人口が減少していく中、なぜでしょうか?昔の「バブル崩壊」や「リーマンショック」のようなことが起きていれば致し方ないと個人的には思いますが、、、。
ある企業の幹部クラスのインタビューを見ると「20年後、30年後を見据えたときに変革をしなければならない、そのために希望退職制度も含めリストラを実施せざるを得なかった」とコメントしています。リストラを実施する会社内部ではいろいろな議論がなされ、その明確な理由が社員や関係者に説明されているのでしょうが、対象となる方(もしくは対象とならなくてもそのような企業に勤めている社員の方)はどのように感じているのでしょうか?
ここからは私の個人的な意見です。おそらく「従業員に対するコスト意識」によるもの以外の何物でもないように私は思っています。会社経営には確かに「攻め」と「守り」が必要で、日本の大企業の幹部クラスはどちらかというと後者の「守り」を充実させる、つまり「守りに入る」傾向が強いと私は思っています。具体的には「営業」よりも「コスト削減」!!!、、、、特に最近の「生成AIによる業務の効率化」など「守りに入る」ための技術が多く生み出されていますのでなおさらだと思います。さらには昭和の時代から続いてきた「終身雇用」の崩壊により、多くの大企業は「社員の雇用を守る」から「会社の経営を守る」という意識に偏って変革してきているのだと思っています。もちろん会社の経営陣にとって「会社を守る」ということは、いうまでも無く責務の1つですが、守ってばかりいては何も業績は上がらず、攻めるためのビジョンや戦略を明確に示してこそ、初めて「攻守」の調和がとれ、会社経営はスムーズになるものと思っています。
私も過去には世間で言う大企業に勤務していました。社員を「貴重な人的資源」として扱ってうまく経営をハンドリングしている幹部もいれば、社員を単なる「道具」ぐらいにしか考えていない幹部もいました。後者のような幹部については、会社の未来など何も考えておらず「自分の代だけ赤字にならなければいい」とか「自分の代だけ大きな問題が起こらなければいい」と考えているのだと思います。このような残念な幹部については、所詮「雇われ幹部」だなとしか思えず、仮にそのような幹部が自らトップの経営権を持ち会社を運営若しくは新規で起業したとしても、おそらく企業として存続することは難しいと思ってます。たとえ個人事業主になったとしても無理でしょう。
私は現在個人事業主として活動していますが、日本社会のような民主主義においては、どうしても民間企業の「力」が国の健全な発展のためには必要となります。会社の未来のために「リストラ」を実施することは、経営手段の1つとしてやむを得ない行いであることを理解しつつ、しっかりと戦略を持ち、社員をよりよい方向に導いてくれるような真っ当な幹部が1人でも多く育ってくれることを祈っています。